2023.09.15
2023年9月9日、土曜日の朝、長浜市の神田まちづくりセンターのグランドに伺いました。
長浜市神田地区自主防災会の防災訓練が行われるのです。これは、2023年度できるコトづくり制度 はじめて助成1年目の活動「安全安心のまちづくり」の一環です。
本部テント前にはブルーシートが敷かれ、9時開始というのに8時半には既に参加者の皆さんが集まってきていました。
残暑厳しい季節ではありますが、ちょうどよい具合の曇り空。少し風が涼しく感じる、防災訓練にもってこいの天候です。
そろそろ開会の挨拶かな?と思ったら、突然サイレンが鳴り響き、「ただいま、長浜市周辺に震度6強の地震が起こりました!現在、地域役員による安否確認をしているところです!」というアナウンスが。
続いて長浜市神田地区自主防災会の会長、辻川作男さんから「今日は長時間になりますので、ブルーシートに座ってください。現在、各地域の皆さんが、安否を確認中で、こちらで集計をしています。
その間に、給食、給水班の方は、お手伝いをお願いします!」とのこと。
主に女性の方たちが、すぐそばにある神田まちづくりセンターの中へ移動しました。
おにぎり一個分の乾燥米が個装されており、封を切り、沸騰したお湯を注ぎます。そのまま置いておくだけで、おむすび型のご飯ができあがるのです。
これなら、炊飯器も不要、料理が得意な人でなくてもでき、衛生面も安心、なおかつ手間いらずですね。味つけも多様で、塩昆布、鮭など美味しそうでした。
一方、その頃、地区内で火災が発生したという知らせがあり、貯水槽を開けて水を汲み、バケツリレーで消火する訓練が行われていました。(実際に火は使っていません)
普段は鍵をかけてありますが、地下が貯水槽になっているとは。
長浜市の防災危機管理局の職員の方からは「女性は空になったバケツを水源に運ぶ方に回るといいですよ。」とアドバイスがありました。
次に、起震車での地震体験。交代でほとんどの方が体験しました。実際に東日本大震災で揺れた震度、揺れ方を再現してあるそう。かなり大きな揺れで、見ているだけでも酔いそうでした。
続いて、意識不明の人が倒れていた場合の胸部圧迫とAEDの訓練です。
最初に、消防隊員の方から「心臓が止まってから何分までなら、意識回復の可能性があるでしょうか?」という問いかけが。皆さんの答えは「30分くらい」「10分くらい」。
でも、答えは「3分半と言われています。」とのこと。「だからこそ、1分1秒を争うことになります。」
予想以上に短時間で元通りにならない状態になってしまうと知り、参加の皆さんから驚きの声があがっていました。
胸部圧迫のポイントを教わった後は、AEDの使い方の実演です。AED本体から使い方の説明が音声で聞こえてくるため、落ち着いてそれに従えばうまくいきそうでした。
どちらも、体験する参加者の方が真剣に取り組んでおられました。
以上のプログラムが終了し、最後は長浜市神田地区自主防災会副会長の中川眞澄さんから
「消防隊員、長浜市職員のご協力をいただき、10年ぶりの訓練をこんなにたくさんの方のご参加で実施できました!本当にありがとうございました。」とご挨拶がありました。
ほんのり温かい保存食のおにぎりが、個装のまま1個ずつ配られ、11時に解散となりました。今回は81名の参加があったそうです。
辻川さんは「安全安心のまちづくり」活動について、「長浜市には、柳ケ瀬・関ヶ原断層帯と、野坂・集福寺断層帯という活断層による直下型地震の危険性があります。過去には1909年(明治42年)に、マグニチュード6.8の姉川地震が起こり、大きな被害もありました。神田地区では、阪神淡路大震災の後に防災会が結成され、防災規約も作成したのですがその後は危機感が薄れてしまい、訓練も学習も行ってきませんでした。
ところが、近年の集中豪雨で地区内でも道路の冠水などが起こり、また市内の他地域では大きな水害が発生しました。そこで、今年度は再度新たな規約を作成し、火災・水害・地震などの災害に対する住民による共助の仕組みづくりを進めようと計画し、現在進行中です。
できるコトづくり制度の『はじめて助成』で10万円いただき、今回のような防災訓練のほか、今年は「防災講演会・防火訓練」もできました。10万円という金額は、うちのような小さな団体にとって、ちょうど使いやすいんです。ありがとうございます」とにこやかに説明してくださいました。
地域の皆さんが防災意識を新たにする場を提供されていて、本当によい活動だなと感じました。