2022.11.21
2022年10月23日、晴天の日曜日、大津市穴太(あのう)地区にある髙穴穂(たかあなほ)神社で「穴太Deマルシェin髙穴穂神社」が開催されました。これは、Petit Refrain(プチ・ルフラン)が、メンバーのお一人の地元である穴太自治会、髙穴穂神社氏子総代、自主防災会が共催したもので、できるコトづくり制度のはじめて助成1年目の「プチ・ルフラン=小さな循環」の活動です。
Petit Refrainのメンバー6人はそれぞれの住む地域で、おのおのの地域に合った形の、小さな循環を行う活動を開催してきました。
穴太地域に住む伊東さんによると、コロナ禍でお祭りや学区運動会がなくなり、更に子ども会も今年からなくなってしまいました。今回の「穴太Deマルシェin髙穴穂神社」は、地域で人のつながりが消えつつあることから「人と人とのつながり」「人の循環SDGs」を目指して企画された地元初の共催イベントです。
開始の午前10時から終了の午後3時まで、吹奏楽団、和太鼓集団、ジャグリングなどが入れ替わりでライブを繰り広げているのは、復元された穴太積みの石垣を利用したステージです。
大津市内の城の遺跡から発掘された石垣から石を運び「穴太衆石積み復元委員会」の力で、再度組み直されたものなのです。この地域は古くから「穴太衆(あのうしゅう)」の里として石をくみ上げる技術を生業としてきました。特に江戸時代にはきちんとした組織として、独自の優れた技術で全国の城の石垣作りで活躍してきた歴史があります。その穴太積みの石垣がステージとして現代に復活している姿は、この穴太地域ならではのものですね。集まった人たちは、石垣ステージでの演奏に聞きほれていました。
ステージの周辺には、さまざまなブースが並んでいます。
神社の境内に据えてある防災コンテナは、大きく扉を開いて資料やクイズで防災への関心を高める「防災コンテナを開けてみよう!」。自主防災会の展示です。
コープしがの「ローリングストックセット」の実物も展示してありました。ご存じの方も多いでしょうが、ローリングストックとは特別な非常食ではなく、日常生活で食べている食品を多めにストックしておき、定期的に食べて補充していく方法のことです。普段食べなれたものなら、非常時も平常心を保ちやすいという意味もあるそうです。
単なるお祭りではなく、地域の防災意識を高めるという目的を持った催しが加わっているところが、とてもいいなと感じました。
こちらは、「絵本集まれ!くるくる交換会」コーナー。
もう読まなくなった絵本を持ち寄り、その絵本を欲しいと思った他の子どもが持ち帰る、というものです。これも、Petit Refrainの「循環」のひとつの活動です。
ほかに、「子どもお店屋さん」「ワークショップ プチ花苗&コンポストを知ろう」などがテントの下で開催されていました。
社務所では地元のクラフト作品展、神楽殿ではお茶会。そして地元企業のスイーツや食べ物のキッチンカーも大人気でした。
また、子どもたちがクイズラリーに参加したら最後におかしをもらえるという、自然に会場の各コーナーを回ってもらうしくみも工夫されていました。
今回、メインとなって企画から実施までを担当した、Petit Refrainの伊東さんは
「地域の行事やつきあいは面倒だな、と思っていたけれど、コロナでずっと地域のことは全部中止になり人に会わない。でも、久々にご近所の人と会って話をしたら、やっぱり楽しかった。つながりって必要なんやな……。
地元で、そんなお話を聞きました。
子ども会もなくなってしまって、いまや夏休みでも子どもがどこにいるかわからない状態です。地域の人と人を、このマルシェで再びつなげることができれば、という思いで企画しました。今日も自治会や氏子総代を通じて、たくさんの地元の方が交通・会場整理に出てくださっています。とてもありがたいです。」と話してくれました。
昔ながらの地元のネットワークと、Petit Refrain が学ぶ「おうみ未来塾」の塾生ネットワークが結集してのマルシェだと実感できました。これからもヒトやモノの小さな循環を県内のあちこちで巻き起こすことを期待しています。