2021.02.02
2021年1月28日、この日安土コミュニティセンターで開かれる、西の湖あそび隊の編集会議に伺いました。「冊子『あづちのふるさとばなし』第2巻再話編集とウエブサイトの開設」で、2020年度のできるコトづくり制度のはじめて助成を受けて活動されています。
西の湖あそび隊は、読み聞かせボランティア「にょきにょき」のメンバー18人の中の有志が集まった団体「安土ふるさとばなし発掘隊」とも重なっています。地元安土の高齢者の方から聞き取った話を集め、原稿にして作った『あづちのふるさとばなし』を2019年に作成されました。
琵琶湖周辺の小中湖干拓以前の水辺の暮らしについて、今聞いておかなければ消失してしまう、との危機感を持って作成されたそうです。
今回のできるコトづくり制度のはじめて助成では、この本の第2集作成へ向けての聞き取りと原稿化、そして第1集をオンラインで公開をするWebの作成です。
この日は、お話してくださった方に確認してもらった原稿を、実際に朗読してみてどのように聞こえるか、おかしいところはないか他のメンバーの意見を聞いて修正する、という内容でした。
一冊に入っているお話は27話、ひとつの話は見開き(2ページ)、小学校低学年の子どもでも読める、朗読すると2~3分の短いものです。
最初に検討する話は、カワトという湧き水についての話でした。
「〇〇さんの安土弁がきれいに出てますね」
「湧き水に敬語使うところとかええ感じやわ」
「その湧き水の側に連れて行ってもらって、話を聞いたんです。」
安土の土地特有だった安土弁も、今では消えつつあるそうです。カワトについては、どんどんなくなっている状態だとか。
「ここのカワトは、前の台風で崩れたので、つぶすはずだったんです。でも、私達が行ったので『つぶさず直すつもりでいるんですわ』って言ってくださって。」
「上豊浦は湖のヘリだったのかもしれません。湧き水になってチョロチョロ湧いて出てました。だから、その数だけお地蔵さんがいっぱいあるねん。」
編集会議では、直接聞き取りした方だけではなく、聞き取りしてないメンバーの方も話し合うので情報を共有できて、会の中では誰もが豊かに朗読できるのだそうです。
「湧き水か、湧水か?」
「ゆうすい、と読まないために、『き』を入れますか?」
「カワトは?カワドじゃないね」
「カワトが脚注に入れられるか、宿題ね」
このように、いろんな面から検討するので、1つの話に1時間弱くらいかかります。できあがったWebで第1集を公開予定ですので、安土地域の方でなくても見られます。公開が楽しみですね。また、小学生に読み聞かせもされます。
地域の歴史を生き生きと伝えるための貴重な本『あづちのふるさとばなし』の編集活動に期待しています。
2021年3月31日サイトがオープンしました。ぜひ、アクセスしてみてください。
【あづちのふるさとばなし紹介サイト】